眼瞼下垂の術式はいくつかのバリエーションがあります。
そのほとんどはまぶたを上げる筋肉である挙筋腱膜and (or)ミュラー筋を縮める術式です。
しかし、どの文献を見てもそれらの手術のみで全症例対応できるわけではありません。
つまり筋肉が予想以上に弱っている時(挙筋機能が落ちている時)は別の術式が必要になってきます。
それが「前頭筋つり上げ術」です。
まぶたを上げる筋肉が緩むことによりまぶたが下がるのが「眼瞼下垂」ですが、
挙筋腱膜やミュラー筋を縫い縮めてもまぶたが十分に上がらない場合、おでこの筋肉(前頭筋)と瞼板をつなげます。
こうすることで、おでこの筋肉を上げるとまぶたが連動して開くようになります。
これが「前頭筋つり上げ術」です。
この「前頭筋つり上げ術」で使用する吊り上げ材料が長年の議題となっています。
「筋膜」か「ゴアテックス®」か、です。
筋膜は「側頭筋膜」や「大腿筋膜」を使用することが多いです。つまり自分の体の一部(自家組織)です。
形成外科の先生が使用することが多いです。
ゴアテックス®は人体と非常に親和性が高く、人工物の中では体内に留置しても問題とならない素材です。
眼科の先生が使用することが多いです。
それぞれ一長一短あります。
理由は以前書きましたので省きますが、結論から申し上げると私はゴアテックス®️を使用しています。
まぶたや涙道を専門にしてから約7年経過しましたが、ゴアテックスを使用して問題になったことはありません。
ただどちらを使用するにしても、シートは眼窩脂肪の奥に入れたり瞼板の上縁と縫合したりまぶたがきちんと閉じるような高さで固定したりとさまざまなテクニックと経験が必要になります。
私は顕微鏡を用いてしっかりと丁寧に手術します。
動画はこちら↓
時間:約1時間(片側)
金額:約15000円(1割負担) 約45000円(3割負担)(片側)
リスク:内出血、術後腫脹、再手術
埼玉県 Pelle Salone