フォトフェイシャル®️でドライアイ治療

ドライアイ

冬になると、眼科にはドライアイを訴える患者さんが多く来院されます。

なぜなら冬になると湿度が低下しますし、暖房にしたエアコンの風が直に眼球に当たるからです。

ドライアイとは、超簡単に言うと「眼球が乾いてしまうこと」です(そのまんまですね)。

今回はドライアイについてお話ししていきます。

1. 涙液とは?

2. マイボム腺とは?

3. ドライアイとは?

4. ドライアイの種類

5. ドライアイの治療

1.涙( 涙液)とは?
涙液は、眉毛の後ろにある「涙腺」で作られます(毎分1.2μℓ)。
その後、眼球の表面に出ていき、まばたきによって薄い層(涙液層)になって眼球の表面を覆います。
涙液の働きは
・眼球の表面がツルツルになることで視界がクリアになる。
メガネのレンズのコーティングみたいなものでしょうか。買ったばかりのメガネは視界がクリアだけど、時間と共にいろんなキズがつくと視界が悪くなるのと一緒です。)
緩衝材になって、外からの刺激や雑菌から守ってくれる。
(Ama〇onの段ボールに入っているエアクッションみたいなものでしょうか。)
・眼球に酸素や栄養を与える。
などがあります。
眼球表面にぬり付けられた涙は、20%は蒸発し残りが涙道から鼻に抜けていきます。
涙は、目頭にある「涙点」から涙道にぬけていきます。
(新しい眼科 30(臨増) 3~5, 2013)
2. マイボム腺とは?
まぶたの縁には、瞼板という横長の硬い板があります(板チョコみたい?)。
瞼板の中には油を作る「マイボーム腺」があります。
   
そして、作られた油(マイバムと呼ばれます)はまぶたの縁に開いた穴から出て、涙液層が乾かないようにコーティングしてくれているのです。
イメージとしてはBLTサンドイッチ、でしょうか。

レタスの水分が涙液層、そして水分が逃げないようにパンに塗るバターが油層 です。

ということで、涙液層は外側は油層、内側は膜型ムチンに挟まれることで安定しているのです。

しかし、どんなにバターを塗っても、朝に作ったBLTサンドのレタスが夕方にはカピカピになるように、時間が経過すると涙液が乾いて眼球がむき出しになります。
まばたきで眼球にぬり付けられた涙液がなくなってしまうまでの時間をBreak Up Time of tear film(BUT)といいます。
正常な方のBUTは10秒以上あります。
(あたらしい眼科 Vol.33, No.6, 2016)
3. ドライアイと診断するには?
ドライアイとは、簡単に言うと「目が超乾く」ということですが、正確な定義があります。
それは、
「様々な要因により涙液層の安定性が低下する疾患であり、眼不快感や視機能異常を生じ、眼表面の障害を伴うことがある」です。
つまり、
涙液層の不安定さが原因で、眼球が何か変な感じになる
ということでしょうか。
医学的には、眼不快感や視機能異常などの自覚症状があり、かつBUTが5秒以下の方をドライアイと診断します。
なんか眼がおかしいなーと思って眼科を受診した方が、まばたき後に涙の層が眼球表面から5秒以内でなくなっていればドライアイ、ということです。
BUTは、涙にフルオレセインという蛍光の染色剤をつけることで測ることができるようになります。
4. ドライアイの種類
以前は、ドライアイを
a. 涙液減少型(涙が出る量が少ない)
b. 蒸散過多型(蒸発する涙の量が多い)
と分類していました。
しかし、それだけでは説明がつかないこともあり、最近はTFOT(tear film oriented therapy)という考え方が出てきています。
これは油層、涙液層、上皮層のどこが原因なのかを考えて足りない成分を加える、というコンセプトです。
TFOTにより、より正確な診断と治療ができるようになってきています。
5. ドライアイの治療
先ほども記載したように、「ドライアイの原因となっている不足しているものを加える」というTFOTの考え方で治療するようになっています。
不足しているものでドライアイを分類すると
A. 油層が足りない
B. 産生される涙液量が足りない
C. 涙液層にある分泌型ムチンが足りない
という4つに分けることができます。
この、
A. 油層が足りない

のが原因のドライアイは、なかなか点眼の効果が出づらいのですが、今までの治療は

・温罨法

・リッドハイジーン

というものでした。

温罨法はまぶたを温める(あ〇きのチカラ、やアイマスクなどが販売されていますよね。)。

冷蔵庫に入った固いバターでも、冷蔵庫から出して時間が経つと柔らかくなるのと同じです。

そしてリッドハイジーンですが、リッド=まぶた ハイジーン=清潔、つまり、まぶたの縁にある油を出す穴を専用のシャンプーなどで清潔にし、つまりを取って油の分泌を促してあげるのです。

ニキビをつぶして芯を出すとニキビが小さくなるのと同じです。

しかし、最近画期的なデータが出てきています。

それは、美容皮膚科でシミ取りなどに使うレーザーであるフォトフェイシャル®がドライアイに効果がある、ということが証明されてきているのです。

(Intense pulsed light for evaporative dry eye disease:Dell SJ Clin Ophthalmol. 2017 Jun 20;11:1167-1173.  )
もともとは酒さ(顔の毛細血管が拡張し、赤ら顔になる病気)の治療でフォトフェイシャル®を使用していたところ、ドライアイが改善したという報告が発端になり「フォトフェイシャル®でドライアイ治療」がスタートした、という経緯があります。
現在は有効性を報告する論文も多く出ています。
しかし、実は「なぜフォトフェイシャル®でドライアイが改善するのか」については解明されていません。
しかし、レーザーの特性からすると「レーザーを当てたときの熱が、温罨法みたいにマイボム腺のつまりを溶かしてマイバムの出が良くなる」からではないでしょうか。
ということで、効率よく熱をまぶたに当ててドライアイを改善させる、フォトフェイシャル®によるドライアイ治療の説明でした。
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